“死の天使”の実像に迫る

ナチス親衛隊(SS)大尉ヨーゼフ・メンゲレ。アウシュヴィッツ収容所で医師を務め、ユダヤ人や非社会的分子をガス室に送り続けた。残虐な生体実験も躊躇なく行い、“死の天使”の異名をとった。
敗戦とともに南米に逃亡。名を変え、居場所を転々としながら、じっと息をひそめ、1979年に脳卒中で倒れるまで、生き永らえた。

本作は、このナチス最大の戦争犯罪者メンゲレの生涯を追った作品だ。原作はオリヴィエ・ゲーズのベストセラー小説「ヨーゼフ・メンゲレの逃亡」。
弟の元妻だったマルタとの再婚、ハンガリー人夫婦との共同生活、息子ロルフとの再会…。時が移り、環境が変化しようとも、自らの所業を決して悔いることなく、ナチス思想を信じ続けたメンゲレだが、年齢を重ね、体が衰えてくると、さすがに弱みも見えてくる。